【社会人インタビュー】博報堂・TBWA HAKUHODO三浦崇宏さん「広告しか知らない人は広告について何も知らない」

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こんにちは! 新アドインターンの友成美由紀です。今回は株式会社博報堂・株式会社TBWA HAKUHODOインテグレーテッド コミュニケーション プラナー 三浦 崇宏さんにお話を伺ってきました。

 

2015年1月22日(木)に行われたセミナーでは、広告業界の展望やご自身のお仕事について貴重なお話をしていただきましたが、このインタビューではセミナーでは聞けなかったことを中心に質問をぶつけてきました。

(※セミナーレポートはこちら。<新アド2016サイトへリンク>)

 

 

三浦崇宏さんプロフィール

 

<略歴>
1983年東京生まれ 暁星学園・早稲田大学を経て2007年より博報堂。2012年より現職。(博報堂 PR戦略局兼務) 『作品を作るのではなく、現象を創るのが仕事』が信条。入社以来、マーケティング・PR・クリエイティブを経てきた経験を活かし、広告領域にとどまらない企画で企業の成長をプロデュースする。大学時代の著書に『学問以外のススメ』がある。2010年度日本広告業協会論文大賞。

<受賞歴>
2012年 カンヌライオンズ サイバー部門 ブロンズ
2012年 アドフェスト ロータスルーツ
2013年 カンヌライオンズ PR部門 ブロンズ
2013年 日本PR協会 PRアウォードグランプリ
2013年 日本PR協会マーケティングPR優秀賞
2013年 Campaign Asia Pacific Young Achiever of the Year
他受賞多数 東京大学・早稲田大学他各機関で講師実績多数。

 

 

 

博報堂っぽくない自分が
博報堂に行ったら目立つだろうなと(笑)

 

――まず、博報堂を選んだ理由について教えてください。

 

僕は、メディアとか広告の仕事をしたいと思っていて、テレビ局か大手の広告を考えていました。しかし、テレビ局だとテレビがメインになってしまって、出版社だと本がメインになってしまう。広告だったら、インターネットでもイベントでも仕事ができるし、全部のメディアを使って仕事ができるという点に魅力を感じ、広告会社を選びました。

 

なぜ博報堂かというと、広告会社のいろんな人と話していくなかで、博報堂の人は話しやすかったのです。あと、博報堂は良い人が多そうだから、僕が入ると目立つなと思ったから(笑)。自分では博報堂っぽくないと思っていて、博報堂っぽくない人が博報堂に行ったら目立つだろうなと思ったんです。

 

――そうなんですね。そのような意図で博報堂に入社されて8年目になった今だからこそ思う、学生時代にやっておくべきこと、伸ばすべき力は何だと思いますか?

 

何でも良いと思います。でもね、4年間広告のことばかり勉強してきましたって人は気持ち悪い。僕らの仕事は、普通の人がたまたま見た広告やCMにグッと来ないと意味がないんですよ。

 

広告やCMに携わるには、結局は、人がどんなときに恋をするか、人がどんなときに嬉しいと思うか、人が何を見て笑うかっていうことを知っていなきゃいけない。かつての広告がどうだったかなんて何の意味もないんですよ。過去のことを調べるより、今とか未来のことを考える方がよっぽど大事。

 

――なるほど!

 

ちなみに僕、プロレスがすごく好きなんですけど、「プロレスしか知らない人はプロレスについて何も知らない」っていう言葉があります。僕は、これは広告でも同じだと思っていて、「広告しか知らない人は広告について何も知らない」というふうに思っています。

 

例えば、2000年代にはこういう広告がすごくて…というのはどうでもよくて、どんなときに人がすごく喜んだり、どんなときに人が物を欲しいと思ったり、どんなときに人が頑張ろうとするのか、そんなことを考えるのが楽しいと思える人の方が、広告の仕事では大事。

 

だから、サークルでもイベントでもスポーツでも恋愛でもバイトでもその人が楽しいと思える、その人の感情が動くものを一生懸命にやっていれば良いと思う。広告マニアよりも、アニメマニア、電車マニア、プロレスマニア、もしくはめっちゃ女の子と遊んでましたとか、そういう人の方が話を聞きたいし面白いからね。

 

――そういう方が学生らしいですよね。

 

学生らしいっていうより、人間らしさかな。

 

 

――三浦さんもそういう学生だったのですか?

 

僕は学生時代、ずっと主催側でイベントをやっていました。あと、文学部だったので本をたくさん読んでいました。「学問以外のススメ」っていう本の出版もしていました。

 

――活動的な学生だったのですね! では、三浦さんは、学生時代と社会人になってからでは、生きる上での軸は変化していきましたか?

 

それは変わらないですね。高校時代は柔道部で、大学ではイベントやっていて、会社では広告の仕事をしていますけど、基本的には感情の振れ幅を大事にしています。喜んだり泣いたり悔しいと思ったりする、なるべく感情の振れ幅が大きい人でいたいという気持ちは変わっていないですね。

 

――それはなぜですか?

 

楽しいから。いろんな喜怒哀楽を感じたいんです。

 

――喜怒哀楽からアイデアが思い浮かぶのですか?

 

あんまり意識したことはないけど、面白い記憶が多い方が面白いことが思い浮かぶじゃないですか。悲しい記憶の方が悲しいことをたくさん考えられる。いろんな感情を持っていた方がいろいろなことを思いつくと思います。

 

――そうなんですね! 社会人の方は、学生時代から精神面で大きく変化してしまうものだと思っていました。そんな三浦さんが受賞された「土のフルコース」というアイデアまでに至った経緯は何ですか? 普通の人だと思い浮かばない発想だと思うのですが…?

 

すごくシンプルで、安全な土だということを証明するためには、何をすれば良いかってなったら、事実を示すしかないと思っていました。安全ですよっていうポスターやCMを作っても信じてくれないでしょう。でも、食べている人の姿を見れば一目で信じることができるから、とにかく表現することよりも事実にこだわっていました。

 

 

座右の銘は「ライフイズコンテンツ」。
悲しいことがあっても面白く話せる方がいい

 

――CMや広告では、表現することへのこだわりを重視していると思っていたので、そこで事実にこだわるという視点には意外性を感じました! そのような素晴らしいお仕事をされている中でも、モチベーションが下がるときがあると思うのですが、そういうときはどうしてるんですか?

 

マンガを読んでいます。マンガの広告も作っていて、マンガが好きですね。マンガを読んだり映画を見たり本を読んだりしています。とにかくテンションが上がるような作品を見ていて、マンガの中の主人公に影響を受けているかな。

 

例えばキングダムとかワンピースを見ていて、信やルフィみたいに頑張ろうと思ったり、登場人物に共感をしたり、こんなに感動する作品を作っているんだという作者への嫉妬を感じたり。これすごいな、めっちゃ面白いじゃんって感じて、僕も頑張ろうって思う。同じ作り手として、全然違う世界でも負けたくないなという気持ちはどこかで持っています。

 

あと、へこんでいるときには、SNSを見ないようにしています。SNSはみんな良いことばかり書くから、それを見ていじけちゃうんです(笑)。嫉妬深くて負けず嫌い。恋愛で束縛はしないけどね(笑)。

 

 

――三浦さんは、仕事とプライベートは分けないんですか?

 

分けない! 一人の女性を愛する気持ちとかスポーツの試合を見て負けた悔しさとかがそのまま仕事の良いアイデアになることもあるから、僕は公私統合って言っている。プライベートで起きたすごく悲しいことが仕事では素晴らしいアイデアになることもあるから、すごいおいしい仕事ですね。

 

――マイナスな気持ちが仕事にも影響したりすることはないのですか?

 

僕は負けず嫌いだから、そっちで負けたらこっちで取り返さなきゃと思うから、影響することはないかな。

 

――マイナスなことがあってもそこをプラスに変えるということですね、それは実体験からそう思うのですか?

 

そうだね。嫌なことが起きたらそれを笑い話にして周りからウケを取ってやろうと思う。僕の座右の銘が、「ライフイズコンテンツ」なんだ。悲しいこととか嫌なことがあっても面白く話せる方が良いじゃん。しかもそれは普通の仕事だったら面白く話しても笑い話になって終わるけど、僕はそれが良いアイデアになるから、こんなにおいしい仕事はないと思う。プライベートが最高の仕事だし、仕事が最高のプライベート。

 

社会人は一週間のうち三分の一は仕事をしているわけですよ。それで仕事がつまらないとなると、人生の三分の一を損していて生産的じゃないよね。だから、仕事も楽しめた方が良い。

 

――仕事への向き合い方、考え方が参考になります! では、今後、何を目標にして仕事をしていくのかについてお聞きしたいです。

 

小さい目標と大きい目標があって、小さい目標だと、広告の仕事の可能性を広げたい。それって広告じゃなくない?とか、それって広告会社がやることじゃなくない?みたいなことをなるべく減らしたい。そこまで考えられるものをやってみたい。土のフルコースもそうだけど、普通だったらCM出そうよってなるところにCMじゃないものを取り入れたい。

 

大きい目標は、広告は物の良さを伝える仕事で、その奥にある物の良さを見つけることから始める。例えば、このスマホを広めてって言われて、もしあまり良い機能ないなと思っても、デザインがすごくかっこいいなとか、これってアプリをダウンロードできないけどそれって電話に集中できるってことだよね、というふうに、良さを見つけて伝える、伝えるの前に見つけるがあるのです。

 

良さを見つけて伝えるっていうときに、日本をもっとかっこいい国にするとか、自分たちが住んでいるこの世界をもっと楽しく、もっとその良さを見つけてそれをいろいろな世界に繋げることをやっていきたい。小さく言うと広告会社の可能性を広げたい、大きく言うと日本の可能性を広げたいということを思っています。

 

僕は、仕事が大好きでほとんどの飲み会より打ち合わせの方が楽しい。へこむこともあるけど楽しいですよ。

 

 

――三浦さんの楽しさが伝わってきます、三浦さんからキラキラしたオーラを感じます!(笑) お仕事が大好きな三浦さんが一番思い入れ深かかったお仕事は何ですか?

 

日産自動車のソーシャルメディアの立ち上げです。Facebookを使ってコミュニケーションのあり方を変えていきたいと言われ、しかも過去の常識にとらわれず信じたようにやれと言ってくれたのです。日産は大きい企業だから何万人もいて、普通は広告会社は宣伝部と広報部とマーケティングとの仕事が中心ですが、僕は役員から現場の工場の人まで、いろんな人に日産の良いところを聞いていきました。

 

CMは15秒の中で日産の一番良いところを売り出すと思うんだけど、もっと他にもたくさん良いところあるんだよとか、僕ももっと頑張ってるんだよといういろんな部署の人がいる。地味な仕事だけど…とか、僕の仕事はお客様への電話対応だけど…というものでも、これはこれで大変なんだよという日産いろんな良いところをFacebookというメディアで毎日どんどん発信していきました。

 

いろんな人と知り合って、僕が知らない部署や仕事もたくさんあったから楽しかったです。今後日産がやろうと思っている自動運転の技術とかを先に聞いて、どんな人にワクワクしてもらえるのかということを全部ヒアリングして毎日配信いていくという仕事がすごく面白かった。そして半年間で国内の自動車会社のFacebookページで一位になりました。日産とは今年で四年目だけど、いろんな人と仲良くなっていて、ワクワクします。

 

 

自分が何を気持ちよく感じるか、
何に笑えるのかを意識して仕事を選んだらいい

 

――これから就活を迎える人に向けてメッセージをお願いします。

 

就職活動にとらわれなくて、自分が何をしたいのかとか、自分が何に気持ちよく感じるかとか、自分が何に笑えるのか、何に悔しく感じるのかということを意識して仕事を選んだら良いと思います。ネームバリューといった誰かが決めた基準じゃなくて、自分の基準は自分で決めたうえで、仕事を選べると良いなと思います。

 

みんなネットとか本とか誰かの基準で決めたもので選ぶけど、他人の意見は単なる情報でしかない。軸はこれだとかいい加減なこと言うけど、その人たちは絶対に責任をとってくれない。だから自分の軸を自分で決めて会社も決めた方が良い。ちなみに合同説明会は一回も行ったことがないです。僕はメディアに行くと決めていたから、合同説明会には行く必要はないと感じました。

 

 

 

取材後記

広告のことばかり勉強してきましたという人は気持ち悪いという、三浦さんの言葉は意外でした。恐らく、就活生の中には広告の専門的な知識を学ぶことに時間をかけている人もいると思います。それよりも、人々の心をつかむ広告やCM作りのために、人自体のことを理解することを常に心がけている学生はどれくらいいるのでしょうか…。

 

「広告しか知らない人は広告について何も知らない」という三浦さんがおっしゃっていたこの言葉は、まさにこの事を表していますね。

 

三浦さんは、自分の軸に沿って現在まで生きていて、大小の夢を持ちながら楽しんでお仕事をしており、自身のお仕事に誇りを持ちながら取り組んでいるせいか、輝いたオーラをお持ちでした。三浦さんの楽しそうにお話をしている姿を見ると、こちらもワクワクしてきて、惹きつけられます。このように普段から人を楽しませることができる人は、きっとCMや広告越しにおいても人々に影響を与えるのではないでしょうか。(友成)

 

 

お忙しい中、インタビューに答えていただき、ありがとうございました!

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新卒アドベンチャーズのインターン生・イベント参加学生が書いた記事です。

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